マンションにガス乾燥機を設置する方法を教えます。
こんにちは、むいむいです。
最近は家事を楽にして生活の質を上げようというのが流行っていますね。
ワークライフバランスが当たり前に叫ばれる今、仕事を効率的にこなしても家事が大変だったら意味がありません。
このQOL(生活の質)を爆上げするのに一役買っているのが乾燥機です。
最近も、下記のような記事がはてブで流行りました。
うちのブログも乾燥機関連の記事によくアクセスが集まりますから、今度は別の視点から記事を書いてみようかと思いました。
それは、マンションにガス乾燥機が設置できるか?という話です。
電気のドラム式洗濯乾燥機がいいのか、ガスの乾燥機がいいのか、という問題には今回触れません。
一戸建てでガスを引いていれば、ガス乾燥機は設置できるケースが多いと思いますが、マンションだと難しいケースが多い。
ケースバイケースなので最寄のガス屋に聞いてもらうのが一番良いのですが、いちいち聞くのも面倒ですよね。
だからこの記事で判断できたら判断してみてください。
結論からいうと、難しいケースが多いと思います。
ただし何かを犠牲にすればできる場合もあります。
- ガス乾燥機とは何か?乾太くんとは?
- ガス乾燥機・乾太くんの設置条件とは?
- ガス乾燥機をどこに設置する?騒音は大丈夫?
- ガス乾燥機用にガス栓は増設できる?
- ガス乾燥機用の排湿筒は設置できる?
- どうすればマンションに乾太くんを設置できる?
- 終わりに
ガス乾燥機とは何か?乾太くんとは?
まず、ガス乾燥機について少し説明させてください。
家庭用のガス乾燥機は、リンナイから発売されている「乾太くん」という商品のみです。
東京ガスや大阪ガスの名前がついていたりしますが、製造元はリンナイです。
バリエーションはいくつかありますが、ガス乾燥機=乾太くんです。
私も知って驚きましたが、一つのメーカーが独占しているって凄いですね。
他のメーカーは参加しないのでしょうか。
コンラインドリー向けの業務用は他にもメーカーがあります。
ガス乾燥機・乾太くんの設置条件とは?
それではガス乾燥機が実際に設置できるかどうか、設置条件を見ていきましょう。
ガス乾燥機はガス機器なので、まずガス栓が必要です。それと100Vの電源。できればアース付き。
電気のドラム式洗濯乾燥機は排気を屋内に出しますが、ガス乾燥機は排気が高温・高湿となるため屋外に排出しなければなりません。
このため煙突(排湿筒と言います)を屋外に出す必要があります。
マンションにガス乾燥機が設置できない主な理由は、ガス栓と排湿筒の設置という二つの条件を満たすのが難しいからです。
この条件については、この先の章でもう少し掘り下げます。
それ以外の条件はどうでしょうか。
設置する際には壁等との離隔を取る必要があります。
下記は乾太くんRDT-52シリーズの離隔ですが、上部は排湿筒が設置されるため実際にはもっと離隔が必要になります。
洗濯機の上に設置する場合は、専用の架台の足がしっかり置ける必要があります。
排水パンに重なる可能性もありますからね。
屋外に設置することも可能ですが、その場合や雨の影響を受けないところに設置する必要があります。
整理しますと必要な条件は以下の通り。
- 乾燥機を乗せる架台を設置できる場所がある
- 100Vの電源がある
- ガス栓がある
- 屋内設置なら排湿筒が設置できる
- 屋外設置なら雨が当たらない場所
- 防火上必要な離隔が取れている(できればメンテナンススペースも)
ガス乾燥機をどこに設置する?騒音は大丈夫?
すこし変わった間取りでなければ、洗面所に置いている洗濯機の上はスペースが開いていることが多いと思います。
ここに専用の架台を使って設置するのがもっとも一般的な設置方法です。
しかし、設置スペースを確保するのが難しいとか、ガス栓や排湿筒の設置が難しいという場合に妥協案としてベランダに設置することもあります。
洗面所かベランダ、大抵はこのどちらかになると思います。
ベランダ設置の場合に、気を付けなくてはならないのは、まずマンションの規約です。
マンションの規約には疎いので細かいことはわかりませんが、規約としてベランダに乾燥機等の機械を設置することを禁じられていれば当然設置できません。
あとはマンションのベランダは避難経路にも指定されていることが多いので、避難経路をさえぎるような設置方法はできません。
下記のような例であれば避難経路は確保されていそうですね。
引用:ガス乾燥機、マンション・バルコニーで防音 | “音”の世界から、建築・暮らしを考える
加えて、乾燥機はある程度音の出る機械ですし振動もありますのでそこは配慮する必要があります。
騒音レベルで言うと45db程度なので、縦型洗濯機と同程度です。
洗濯機をベランダに置いたとイメージしてみて問題なさそうな環境であれば騒音に関する問題はクリアですが、自己責任です。(例えば駅前や交通量の多い道路などに面している等)
両隣に気難しい住人がいる等の場合は気を付ける必要がありそうです。
参考:衣類乾燥機(乾太くん)の乾燥運転中の音はどれくらいか知りたい。 | ご家庭のお客さま向けFAQ
ガス乾燥機用にガス栓は増設できる?
洗面所やベランダにガス栓が最初から付いてることはほとんどありませんので、普通は増設することになります。
賃貸ですと管理組合などの許可を得て増設することになりますのでハードルが上がります。
これもケースバイケースになるので本当は私が答えられる問題ではないのですが、一般論としてお答えします。
まずベランダのほうが話は簡単です。
ベランダにガス給湯器がついていれば、そこから分岐してガス栓を増設できる場合が多いですが、ベランダに給湯器があっても必ず分岐できるとは限りませんので注意が必要です。
ベランダではなく玄関側に給湯器が設置されている場合は、キッチンのコンロに接続されているガス管から分岐してベランダへ出すことになりますが、この場合は配管が露出になる可能性が高く、外観を損ねてしまうか、費用がかさむか、その両方になるケースが多いと思われます。
洗面所も同様で、玄関側に設置されているガスメーター付近から分岐するか、キッチンのコンロから分岐する事になります。
ガス乾燥機用の排湿筒は設置できる?
ベランダ設置の場合は排湿筒は短いものを付ければいいので、無いようなもんです。
なので、排湿筒のことは気にしなくてOK!
室内に設置する場合は排湿筒が必要になります。
この排湿筒を外に持っていくのにどうしたらいいかというと、下記の3択になります。
- エアコン用の穴(スリーブ)を通す
- 壁に穴を開ける
- 窓を使う
エアコン用のスリーブを通す
居室でエアコン用のスリーブが余分にあるような場合は、それを利用して排湿筒が付けられる可能性があります。
ただ、洗面所には普通エアコンなんてつかないのでスリーブがありません。
そしてスリーブがあったとしても、エアコン用のスリーブは75~100φが多く、排湿筒が入るとは限りません。
穴はあるけど径が足りない!という事もあるので注意が必要です。
壁に穴を開ける
マンションの壁に穴を開けるというのは、普通はできません。
まず賃貸であれば許可が得られない場合がほとんどでしょう。
分譲マンションはほとんどが鉄筋コンクリート造(RC造)です。
RC造の場合、柱や梁はもちろん壁も建物を支えるための構造体として使用している事が多く、壁に穴を開ける=建物の強度が落ちるからダメ、という理由でマンションの規約で禁止されているケースが多い。
エアコン用のスリーブのように、最初から穴を開けている場合は穴のまわりの鉄筋を補強して強度が落ちないようにしているため問題ありません。
後から穴を開けると、鉄筋の位置がわからないため鉄筋を切ってしまう可能性もあるので良くない事とされています。(でも多少ならやっちゃうこともある)
レントゲン調査をすれば鉄筋の位置がわかりますが、費用が10万円位かかります。
コア抜きするのも専門業者がやるのでそこそこお金がかかります。
一か所程度なら正直大したことないんですが、他の入居者が同じように穴を開けるとマンションの資産価値が落ちる事にもなりかねませんから、禁止されているケースが多いのかと思います。
既存のコンクリートに穴を開けることをコア抜きと言いますが、2014年には高級マンションでこのコア抜きを600箇所近くもやって社会問題となりました。
余談ですがこのマンション、平均価格が1億4000万円で平均坪単価456万円ってありえん値段ですね・・・恐ろしい。
ここまで鉄筋コンクリートの壁に穴をあけるのは難しいと述べましたが、鉄筋コンクリートの壁に見えても実は一部だけALCを使っていることもあります。
ALC(軽量気泡コンクリート)は壁としては使用されていますが、建物を支えるための構造体ではないので、穴を開けても問題ない場合があります。
しかし外側から塗装されていると鉄筋コンクリートの壁なのかALCの壁なのかは素人にはわかりませんから、判断が難しいところです。
参考:マンション開放廊下の「袖壁・垂壁用ALC部材」を開発 型枠工事を省力化し、今後の更なる工業化に布石
窓を使う
既存のスリーブも通せない、穴も開けれない、そしたら最後の手段は窓を使うという手です。
ただこの手を使うには洗面所の窓が屋外に面している必要があります。
よくある下記のような間取りでは、洗面所が開放空間に面していないのでダメです。
洗面所が屋外に面している場合に使える手段がコレ。
窓の一部をアルミパネルのようなもので塞ぎ、そこを通します。
エアコンをつけたいが壁に穴があけられない場合にも同じようなことはよくやりますので、レアなケースではありませんが、実際これができる家は限られます。
窓が引き戸でないとできませんし、この配管キットがつけられる窓が都合のいい位置に無いとできませんので、限定的です。
どうすればマンションに乾太くんを設置できる?
ここまで、色々とマンションに設置は難しい!というお話をしてきました。
じゃあどうすれば設置できるんでしょうか。
普通の設置方法は諦めて何かを犠牲にするしかありません。
余っている部屋にガス乾燥機を付ける
先ほどの間取りの、玄関横の小さな部屋をまるごとクローゼットにしてしまいましょう。
子供が家を出たので部屋が余っている~というご夫婦でしたら、マンションの一室が余っているという事もよくあります。
そういった場合は洗面所等にこだわらず、居室につけてしまうというのも全然アリです。
これでしたら、エアコンスリーブを使うか、窓を使えば排湿筒が外に出せる可能性は高いと思います。
ガス栓をどこから持ってくるかは難しいところですが、キッチンから無理やり屋内を通して持ってくるか、玄関側についているガスメーター付近から持ってくるのが無難です。
ガス乾燥機用のガス配管は細いですし制限が少ないので、まだ色々やりようはあるかと思います。
それに、居室に乾燥機と衣装を置いてしまえば、もうそこはファミリークローゼットのようなものです。
洗濯以外の乾燥・収納・着用が一括でできるので家事も楽だし、他のところの収納を使わなくていいぶん家もスッキリするかもしれませんし、部屋が余ってたらそんなのもいいかもしれませんね。
乾燥機の設置は排湿筒の施工があるため、DIYできなくもありませんが大抵は業者にお願いする事になると思います。
費用はガス機器本体+必要なら架台+排湿筒+窓用のキット+ガス栓増やす工事費なので、20万円前後はかかりそうです。
下記のサイトでは、実際に居室にガス乾燥機を設置された方のレポートがあります。
長年の夢かなう ~ガス衣類乾燥機導入~(後篇) - 牧之原市の「あかるいガス屋さん」オイガックス
自力での設置に挑戦! ~ 乾太くんがやってきた (1) ~: 色白腹黒の気まぐれ帳
ベランダに設置する
家の中に設置するのが難しいなら、やっぱり屋外しかありません。
屋外なら排湿筒の問題はクリアできますから、マンションの場合は屋外に設置される方が多いように思います。
この場合は、前述したように避難経路と騒音の問題があります。
あとは、ベランダに乾燥機があって邪魔とか、部屋から乾燥機が見えると微妙だとか、冬は外に出たくないとか、もちろんそういった細かい問題もあります。笑
あとはガス栓が設置できるかが鍵になってきます。
給湯器から伸ばせればいいですが、伸ばせなかったら厳しい。
しかしそれでも排湿筒に比べれば、乾燥機用のガス管は細いですし経路も比較的自由に選べます。
屋内の壁にガス管固定しなくちゃいけない・・・というケースもありますが、その場合は見た目が犠牲になります。
ガス栓増設は業者にお願いする必要がありますが、ガス栓と乾燥機を繋ぐのは誰でも付けれるガスコードなので、架台+乾燥機本体だけならDIYも難しくありません。
ガス栓増設の費用次第ですが、うまくやれば15万円前後ぐらいでしょうか。
キッチンからガス管を伸ばして、設置も全部業者に依頼したら20万円というのも考えられます。
この方のように、家のガス栓からホースを伸ばして乾燥機を使うときだけガスコードを繋ぐ、という荒業をやっている人もいます。
超時短<ガス衣服乾燥機 >乾太くんは分譲マンションでも最強 神すぎる家電/
乾燥機使ってるとき窓閉められないじゃん・・・そこまでするか!?という感じもしますが、これなら賃貸でもできます。
ただし、ガスコードは5メートルが最大です。
終わりに
本当にケースバイケースですので、金額はご参考までに留めておいてください。
私はガス乾燥機が好きなので、電気かガスで選べたらガスにしますが、マンションだったら電気のドラム式洗濯乾燥機を買うと思います。笑
残念ですが、設置が難しいことがほとんどですから・・・
でも、もしこの記事を見て設置できそうだな!と思ったら最寄のガス屋にお問い合わせしてみてください。
もしよろしければ、乾燥機にありがちなホコリトラブルや、壊れにくい機種について書いた記事もどうぞ。
それではここまでお読み頂き、ありがとうございました。