カップボード収納で失敗しない為には奥行と通路幅が大事。私のおすすめは綾野製作所のAXシリーズ。
こんにちは、むいむいです。
今回は私がカップボードについて検討したときの話です。
カップボードと言えば、こんなの。
背面収納、食器棚、キッチンバックセット、キッチン収納、キッチンキャビネット・・・呼び方は色々ありますが、大体同じようなものです。
なんでこんな呼び名があるのかわかりませんが、私はカップボードと呼んでます。
マンションや建売住宅を買われる方は、カップボードは後付けになる事が多いと思いますが、新築の注文住宅を建てられる方は、キッチンカウンターと同じメーカーでカップボードを設置しようかな?と検討されるかと思います。
私もそれが普通だと思っていました。
キッチンカウンター(システムキッチン)はTOTOのミッテにする事が決まっていたので、カップボードもTOTOにしようと思っていましたが、いくつかの課題がありました。
その課題について検討した結果、キッチンメーカーのカップボードは諦め、カップボードの下の部分だけ家具メーカーの綾野製作所のカップボードを採用しました。
カップボード上部の吊り戸はTOTO製です。
決め手となったのは引き出しの奥行と、各所の寸法です。
今回はそれについて詳しく述べていきたいと思います。
- TOTOのカップボード(ミッテ・クラッソ)のデメリットは?
- LIXIL・パナソニック・クリナップ・タカラスタンダードのカップボードは?
- 問題点は引き出しの奥行きがないこと
- 奥行45cm・65㎝のカップボードの通路幅をシミュレーション
- パナソニックのカップボードやクリナップの55㎝のタイプは?
- アヤノのカップボードで解決
- 引出しの内寸が10㎝変わるとどうなるか
- 終わりに
TOTOのカップボード(ミッテ・クラッソ)のデメリットは?
最初に検討していたときは、キッチンカウンターとカップボードは同じメーカーにしようとしていました。
これを同じメーカーにすると、以下のメリットがあります。
- 割引率が良くなるので安く買える(建築業者による)
- 扉の色や模様をキッチンカウンターに合わせられる
特に問題がなければそうしようと思っていたのですが、検討していると妥協できないポイントが見つかりました。
まずTOTOのショールームでカップボードを最初に見たときの印象。
「引き出しの中が狭い・・・?」
カタログを見てみると奥行の内寸が31.2cmとあります。
TOTOの通常のカップボードは、奥行45㎝と65㎝の二つを選べるようになっていますが、この時みたのは45㎝のタイプです。
カウンターは45㎝の奥行があるはずなのに、引き出しの内寸が31㎝しかないのはなぜでしょうか?
扉や引き出しの厚みが深かったり、カップボードの背面の木材が厚いのでしょうか。
それとも、レールの仕組み上そうなってしまうのでしょうか。
理由は不明ですが引き出しが狭いのは困ります。
奥行65cmのタイプでも引き出しの内寸は51cmでした。
また、他にも気になる点がいくつかありました。
カウンターの高さが81㎝と普通のタイプだと3段引き出し、ハイカウンター(95㎝)だと4段引き出しが選べるそうですが、3段は引き出しが深くて使いにくそうなイメージがあります。
深さのあるものはキッチンカウンター側や吊り戸に収納すれば良いので、深めの3段より、浅くても4段あったほうが使いやすいのではないかと思いました。
4段を選びたいのですが、ハイカウンター(95㎝)は天板の位置が若干高く、カウンターの上に来る吊り戸が使いにくくなるイメージがあります。※これはむいむい家の吊り戸が低い位置に設置してあるためです。
一つのユニットの幅も45cm,60cm,75cm,90cmとそこまで選択肢が多くありません。
例えば270cmのカップボードを組みたいが、ゴミ箱を置くために60cmのオープンユニットを使いたいとしたら、残りの210cmは75,90,45とか、75,75,60とかの組み合わせになってしまいます。
まとめると、TOTOのカップボードの問題点は、引き出しの奥行きが狭い、ユニットの作りが好きじゃない(三段引き出しの収納が深い)、ユニット幅が4種類しかない…でした。
他にもありますがキリがないのでここまでにしておきます笑
LIXIL・パナソニック・クリナップ・タカラスタンダードのカップボードは?
他のメーカーも検討してみる事にします。
各メーカーのカップボードのうち、3段や4段引き出しの仕様を調べます。
グレードは高めのものから選びましたが、グレードによって仕様が異なるのかどうかまでは調べていません。
まずLIXILのリシェルSIですが、カウンター高が85㎝・99㎝の2種類、奥行タイプが45cm・65㎝の2種類で、ユニット幅は30・45・60・75・90の5種類があるようです。
引き出し内の奥行内寸は、奥行45cmのタイプが32.4cmで、65cmのタイプが52.4cmでした。
パナソニックのLクラスはカウンター高が85㎝・105㎝、奥行タイプが45㎝・65㎝で、引き出し内の奥行内寸は45㎝のタイプが37.5㎝、65cmのタイプが57.5㎝でした。
クリナップのステディアはカウンター高が85㎝・100㎝、奥行が45㎝・55㎝・65㎝ですが、高さ100㎝の場合は奥行65㎝は選べません。
画像はありませんが、引き出しの奥行内寸は45㎝のタイプが32.5㎝、55㎝のタイプが42.5㎝でした。
タカラスタンダードはカウンター高が85㎝・104㎝、奥行は45㎝のものしかなく、55㎝も選べるが、デッドスペースが増えるだけで収納力は変わらないという仕様でした。
そんなんある・・・?(下記画像参照)
加えて、引き出しの奥行は資料が見つからなかったため不明でした。
問題点は引き出しの奥行きがないこと
奥行45㎝のタイプに限って見ると、パナソニックだけ37.5㎝と少し優れていますが他のメーカーは内寸奥行30㎝ちょっとしかありません。
むいむい家はパントリーもありませんし、食洗機も設置しているためキッチンカウンター側の収納力は若干低めです。
また、キッチンは折り下げ天井となっているため若干天井が低く、カップボード側の吊り戸の上に窓をつけているので、吊り戸は若干容量が少なめです。
その代わりに、カップボードを置くためのスペースは2700mm分と、一般的なサイズから比べると少し大きめに用意してあります。
前述の通りカップボード以外の収納力は低めなので、キッチンの収納力の半分ぐらいはカップボードが頼りです。しかも使いやすいポジションにある。
ですからカップボードの収納力はとても大事だと考えていました。
各メーカーが用意している45cmのカップボードは内側の奥行きが狭いため使いにくい印象があります。※パナソニック除く
内寸が30cmしかないと、食器の収納に難があるように感じました。
奥行45cm・65㎝のカップボードの通路幅をシミュレーション
TOTO・LIXIL・パナソニックは奥行のタイプが45cm、65cmという展開でした。
引き出しの容量が少ないのなら、もっと奥行のある65cmにしたらどうでしょうか。
こちらなら、中の奥行も50cm近くあるため、収納力にはまったく問題がありません。
ただ、65cmって奥行がありすぎるんですよね。
65cmというと会社にあるパソコンデスクと同じくらいの奥行です。
奥に家電を置いても手前が使えるというメリットはありますが、吊り戸はどちらにしても40cmの奥行ですので、吊り戸にあるものを取るときにカップボードが邪魔で取りにくいだろうと思いました。※吊り戸の奥行はタイプによります
加えて奥行があるとそのぶん通路幅が狭くなります。
普通の木造住宅で対面キッチンにすると、キッチンの幅は芯々で2275mmになるのが一般的です。
むいむい家と同じ仕様で考えると2275mmから壁厚で125mmを引き、2150mm位。
この間にキッチンカウンター、通路、カップボードが納まる形になります。
カップボードの奥行が45㎝でキッチンカウンターが65㎝でしたら、通路幅は215cm-45㎝-65㎝で105㎝です。
105㎝あれば、キッチンに二人が立っても問題なく作業できます。
TOTOのカップボードだとすると、引き出しをあけると33㎝ぐらい飛び出るので通路幅は72㎝になります。
72㎝なら人がしゃがむのにも問題ありませんし、二人がすれ違うことも一応できます。
両側の引出しを同時に開けても、引き出しに挟まれる事もありません笑
キッチン側の引き出しは、むいむい家で使用しているTOTOのミッテだと42cm飛び出るので、両側の引き出しをフルで開くと30㎝余ります。
30㎝は厳しい寸法ですが、挟まれないだけマシです。
キッチン側の食器洗浄機から物を出して引き出しに入れる事を考えると、食洗器を開けながらカップボード側の引き出しを開けられることは大事だと思いました。
カップボードの奥行が65㎝だとどうでしょうか。
通路幅215㎝-65㎝-65㎝=85㎝です。
85㎝だと、一人で通路内で作業する分には問題ありませんが、二人同時に作業するには少し足りないスペースです。
ただ、引き出しを引いたときの通路幅が厳しくなります。
先ほどと同様にTOTOだとすると、引き出しを開けると53㎝飛び出ます。
85㎝から53㎝引いたら、32㎝です。立っているのがやっとで、しゃがむには厳しいスペースです。
食洗器のタイプにもよりますが、食洗器を開けながらカップボードをフルに開けることはできません。
じゃあキッチン幅をもっと広げれば良くない?というと、そんなにスペースが取れない事も多いですし、むいむい家のように作りながら仕様を固めていくスタイルで建築した場合、カップボードを決めるのは建築が進んだ後からという事もあります。
しかし、建築が始まったらもう間取りを変えることができませんので、手遅れになってしまいます。
カップボードって、スペースに入れば何でもいいし、排水とかが絡む訳ではないし、せいぜい電気くらいなので、建築会社からしたら好きなの入れたら?みたいな感じで重要視されていない気がします。
もしキッチンの通路幅に合わせて間取りを変えるとしたら、建築前の段階で決めておく必要があります。
少し話が逸れましたが、奥行65cmのカップボードは通常のキッチン幅では使いにくいが、それを想定してキッチン幅を広げるのは難しいので、結果奥行65cmのカップボードは使いにくいケースが多い。という事でした。
パナソニックのカップボードやクリナップの55㎝のタイプは?
先ほどメーカーごとの比較をしたときに、パナソニックは45㎝のタイプでも内寸37.5㎝と、他のメーカーより内側が5㎝以上大きめでした。
これであれば実用範囲内ですしパナソニックは高さ85㎝のタイプでも4段引出しタイプがあります。
クリナップの奥行55㎝のタイプは内寸42.5㎝と、望ましい感じでしたが高さ85㎝のタイプでは4段引出しが選べないのが難点でした。
私が採用したアヤノのAXシリーズは奥行50㎝のタイプで内寸41.5㎝です。
一覧にまとめると、こんな感じ。
外寸は多少であれば45㎝から大きくなってもいいので、奥行内寸を広げたいと思っていました。
最初に検討していたTOTOだと内寸32.4㎝で、アヤノと比べると内寸で10㎝近い差があるので、それはさすがに差があるなぁと思いましたが、この3種類のメーカーであれば奥行内寸は誤差かなとは思いました。
ただアヤノは、外寸奥行が許容できる大きさでありつつ奥行内寸が一番大きいことと、次項で説明しますがその他の要素も含めて総合的に考えると、アヤノのカップボードが一番良いという結論に至りました。
クリナップの見積もりを試しにショールームで取ったときに下の部分だけで45万ぐらいしたのでやめた・・・というのもあります。※税込、取付費込み
アヤノも金額的にはそこそこしますが、クリナップが半額になってやっと同額でしたので、同額かむしろ高くなるぐらいのお金を出すならアヤノのほうがいいなぁとなりました。
アヤノのカップボードで解決
アヤノは結構有名らしく、どこの家具屋もアヤノかパモウナのどちらかを置いていたのでよく目に付きました。
アヤノのカップボードは8種類あります。
多すぎて説明してもらわないとわからないし、実は説明してもらってもよくわからないんですが、私はAXというシリーズにしました。
アヤノAXシリーズのメリットはこんな感じ。
- 奥行が50cmという絶妙な設定がある
- カウンターの高さは91cm
- カウンターの高さが多少あるため、ゴミ箱がカウンターの下に入れやすい
- ユニットの種類が多い
- ユニットの幅が細かい(引き出しなら40㎝~100㎝まで10㎝刻みで7種類)
- 引き出しの内寸が広い(奥行50cmタイプは奥行内寸41.5cm)
- 引き出しの剛性とレールが超凄い
- 引き出しの内部が木目
詳しく述べていきたいのですが、今回は奥行に限定してお話します。
前述しましたが、奥行が50㎝のタイプで内寸41.5㎝あるというのが決め手となりました。
通路幅はこんな感じで、引き出しを開けたときの寸法感は45㎝のタイプのものとそれほど変わりません。
カップボードの引き出しを開けると40㎝飛び出るので、通路幅は60㎝になります。
先ほどと同様、60㎝あればしゃがむのも問題ないですし、食洗器を開けながらカップボードを開けても大丈夫です。
引出しの内寸が10㎝変わるとどうなるか
引出しの内寸が30㎝強のものと、41.5㎝のものでは収納力はどれぐらい変わるのでしょうか。実際に物を入れてみます。
LIXIL・クリナップ・TOTOの45㎝のタイプだとすると、奥行内寸が32.5㎝以下なのでそれで想定して食器を入れました。
中に入っている木材の下端までが32.5㎝の内寸だと考えて下さい。
右側の大きい皿が23.5㎝で、真ん中のものが20㎝の皿です。
こちらが内寸32.5㎝の想定で入れたケース。
こちらが内寸41.5㎝で入れたケースとなります。
内寸32.5㎝のものに比べると、追加で20㎝の皿(中央上)と16.5㎝の皿(中央下)が追加できました。
これを見て、結構違うなぁと感じるか、そこまで違わないじゃんと思うかは人次第ですが、私は結構違うなと思いました。笑
終わりに
カップボードは、むいむい家の中でもだいぶ悩んだポイントです。
家にある収納用品の中でも使用頻度が高く、多くのものを効率的に収納する必要があるカップボードですから、よく考えて選びたいと思いました。
奥行も大事ですが、それ以外にも大事な要素は色々あります。
ですが、奥行で選ぶなら、私のおすすめは綾野製作所(アヤノ)です。
パナソニックとクリナップのカップボードもデッドスペースが少なく良いと思いました。
アヤノのカップボード、その他のメリット・デメリットについては、また後日お伝えしたいと思います。
それでは今日もお読み頂きありがとうございました!