むいむいのマイホームづくり

自分の家作りから得た知識・情報をお伝えします。

シューズクロークを考える

最近では、新築に欲しいものランキングを作ると、シューズクロークが結構上位に入ってくるそうです。

もちろん我が家もシューズクローク、欲しいな~と思っていました。

しかしそれが紆余曲折を経てたどり着いた先が・・・、違うタイプの収納になりました。

シューズクロークが欲しい

シューズクローク、素敵ですよね。

モデルハウスに行くと、玄関にあるシューズクロークにおぉっ!ってなっていました。

従来のシューズボックス(靴箱、下駄箱)とは違い、何がどこにあるか見やすいし、なんか色々置けそうな気になる。

おかげで玄関はスッキリする。

これはぜひうちにも入れたい、そう思っていました。

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引用元:https://www.e-igc.jp/n_voice/6780.php

 

ウォークインクローゼットは形が大体決まっていますが、シューズクロークは玄関と繋がりが深いことに加え、入れるものによって収納の形を変える必要もありますし、床が土間(玄関タイルと同じ高さの床)の場合もあればフローリングの場合もあり、形は多種多様です。

ウォークイン(中に入るだけ)なのか、ウォークスルー(中に入って別のところに抜けられる)なのかでもまた異なります。

 

ウォークスルータイプは課題が多いのでやめた

ウォークスルータイプは便利そうでインパクトがあることもあり、展示場にあるようなモデルハウスによく採用されている気がします。

ウォークインなら人が入るだけでいいので最低1畳から作ることが出来ますが、ウォークスルーは中に土間や人が通ることのできる通路スペースを必要とするので、必然的にスペースを多く必要としてしまいます。

また、通路スペースを確保すると収納できるスペースが狭くなってしまうことも、大きいスペースを必要とする原因です。

通常の玄関を来客用、シューズクロークのほうを家族用・・・と分けたりしますと、来客のために無駄にスペースを用意しているような気がしますし、どちらも両立させるという使い方は私達には向かないと思いました。

少ないスペースでウォークスルーを作るなら、玄関を広くしたほうが見た目も使い勝手も良いだろうという結論でした。

 

欲しいけどスペースが厳しい

最初にイメージしていたシューズクロークは、以下のような感じでした。

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引用元:https://realestate.yahoo.co.jp/magazine/suvaco/20170815-00007657?pos=5

少なくとも1畳、できれば2畳分のスペースが欲しいと思っていました。

1畳あればとりあえず成立する、2畳あれば人が入るのに十分なスペースがある。

しかし、シューズクロークより優先したいものがあるため、どうしてもそちらに押されてシューズクロークの広さが取れません。

※優先順位の高いものとは、広いLDK、ファミリークローク、広いホール及び玄関です。

シューズクロークが作るのが難しそうなのであれば、そもそもなぜ必要なのか考えてみました。

 

シューズクロークが必要な理由はなにか

  • ベビーカーやアウトドア、スポーツ用品、子供の外遊び用品など、外で使うものをすぐ出せる場所に収納できる、土のついたモノを置く場所が確保できる

    色んなサイズのものを置ける収納場所があるというのは大きなメリットです。
    一般的なクローゼットタイプの収納は奥行が浅いほうが使いやすいとされていますが、奥行が浅い場合にはベビーカーや子どもの外遊び用品等は入らない可能性があります。
    しかし、今まで実家や賃貸で暮らしていて、玄関にあったほうが良かったな・・・と思うものはそれほどないように感じました。
    子供がまだいないからでしょうか?
    例えば、スポーツ用品やレジャー用品などは、直接車に乗せるのであれば玄関に置く理由になりますが、通常は他の物と合わせてバッグに収納して運んでいたため、結局土間続きの場所にあっても取るのにサンダルが必要になってしまうような気がします。
    子供ができたら玄関に一時的に置きたい大型の物が増えるのかもしれません。

    ガーデニング用品やカー用品、自転車用品等、外遊び用品はどうでしょうか。
    これは、できたら玄関に置きたいものですが、外遊び道具や園芸用品なんかは汚くなりがちなので、外に物置があればそこに置くこともできます。
    また、汚れが激しいもの、匂いがする可能性があるものは結局、土間であっても家の中に持ち込むのが抵抗があります。
    土のついた野菜、収集曜日まで時間のあるゴミ、濡れたレインコート、灯油缶なんかはシューズクロークが置き場所として適しているかなとも思いますが、大型の物置や勝手口、ファミリークロークがあれば、そこに置く事もできます。

  • 玄関に出しっぱなしにしやすいモノを収納する場所を作ることで、玄関が整理整頓された空間になる

    これは、収納する最適な場所がないから出しっぱなしにしてしまうのであって、シューズクロークという形に拘らなくても解決できる問題だと思いました。
    シューズクローク一つだけに頼ってしまい、他の収納をおろそかにしてしまうと結局「しまうのが面倒だからここに置いてしまおう」となってしまいます。

  • 靴が多く収納できる

    これはシューズボックスのサイズを大きくすればカバーできる問題なので、シューズクロークでなくてはならない理由ではないと思います。

シューズクロークのデメリットは?

  • 靴を日常的にしまうのには適さないかも(ウォークインタイプ)

    玄関から土間続きの一般的なシューズクロークの場合、シューズクローク内に入っている靴を履くためには、一度サンダルなどを履いてから取りに行き、靴を交換し、サンダルを戻さなくてはいけません。
    それは面倒くさがりの私達には不可能です。
    シューズボックスは別に用意しておいて、そちらに日常的に使う靴をしまい、普段あまり使わない靴をシューズクロークに入れるなら問題ありませんが、シューズボックスを別途用意する必要が出てしまいます。

  • 大きなものを入れると結局収納が使いづらくなるかも

    ベビーカーや大型の脚立、ゴルフバックなど、大きなものをしまう事もできるのはシューズクロークのメリットですが、1畳か2畳程度のシューズクロークの場合、大きなものを置いてしまったら、入れなくなるか、奥のものが取れなくなるかのどちらかになってしまいます。
    押し入れの手前に大きなものを置いたら奥のものが取れなくなってしまうのと同じなのでは?という疑問がありました。
    そして、大きなものを入れないならそもそもシューズクロークが必要ないのでは?という話に・・・。

  • 扉をどうするか問題

    シューズクロークには扉の問題がついてまわります。
    扉がなければ開放的ですし使いやすいですが、玄関をスッキリさせられるシューズクロークなのに、丸見えなのはちょっと抵抗があります。
    開き戸や折れ戸は開けっ放しに出来ないパターンが多いですし、開けっ放しにできる引き戸は扉が納まる場所が必要になります。
    エスタン扉?やカーテン、ロールスクリーンもいいかもしれませんが、それぞれメリット・デメリットがあるため自分に合うタイプをイメージして付ける必要があると思いました。

シューズクロークではなく、他の収納に物を入れる

シューズクロークが必要な理由、デメリットを考えたところで、我が家には違う形の収納のほうが合っているのではないかと思いました。

これだけシューズクロークに否定的になっているのも、それの代わりとなっている収納があるからだと思います。

 

下の図面を見てください。

玄関の横にファミリークローク(5畳弱)があるので、ここに服や小物、スポーツ用品等をしまうことが出来ます。

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そして、玄関の手前には、比較的使いやすい位置に大型の物置を置いているので、ここがシューズクロークの代わりになります。

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もっとも初期に検討していたときは、ホール収納またはファミリークロークが2~3畳のシューズクローク2畳ぐらいで考えていましたが、それをやるならファミリークロークに屋内収納の役割を全部ふって、土間収納の役目は物置に持たせようと思いました。

 

シューズクロークに入れる可能性のあるものをリストアップ

それでもなお、シューズクロークが世の中に受け入れられているのなら、価値があるはずだ。と考え、シューズクロークに入れる可能性のあるものはどんなものがあるか検討してみました。

ここにリストアップしているものは結局、ファミリークロークや物置があるならシューズクロークに入れる必要はない、という結論を出しているのですが、参考までに今の家に住んでいて、どこに収納しているかを記載してみます。

  • アウトドア用品
    物が大きい割に使用頻度は低く、汚れているケースが多いので物置へ

  • スポーツ用品
    玄関収納にバドやキャッチボール道具
    ファミリークロークにテニス用品
    2F主寝室収納にスノボ用品(物置に入っていることもある)

  • 子供の外遊び用品
    子供が小さいのでまだわかりませんが、物置になると思います

  • 工具類
    室内で使うことが多いのでファミリークローク

  • ガーデニング用品
    汚れているので物置

  • カー用品
    洗車用品は物置、工具類は玄関収納、スタッドレスタイヤは物置

  • バイク用品(ヘルメット・グローブ等)
    着替えと同時に使えるように、ファミリークローク

  • 自転車用品
    空気入れは物置、オイルやパーツ類は玄関収納

  • 来客用品(ローテーブル、クッション等)
    ローテーブルは物置、クッション類はファミリークローク

  • 燃えるゴミ
    物置

  • 濡れたレインコート
    使った後にタオルでふいてからファミリークローク

  • すぐ外行きたいとき用のアウター
    ファミリークローク


  • 玄関収納

  • 外掃除用品(ほうき、デッキブラシ、高圧洗浄機等)
    物置き

  • 脚立
    物置(1.8mの長いやつ)
    ファミリークローク(0.6mの短いもの)

  • スーツケース
    ほぼ使わないので2F主寝室収納

  • 冬用小物(マフラー・手袋等)
    ファミリークローク

  • ベビーカー
    玄関に出しっぱなし。子供が育つまでは良いかなと。来客時は物置に移動しても良い。

 

シューズクロークをやめて我が家に採用した形

結局、床が土間で何でも置く事のできる、人が入ることのできるシューズインクローク・・・という形はやめて、普通の収納にしました。

ただし、靴や小物を置くのに困らないよう、サイズは大きめだと思います。

幅は芯々で2730mm(1.5間)あり、奥行は455mm (有効350位)です。

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背面は補強してもらい、自分達で可動棚を付けました。

現在は棚が少ないので、これの1.5倍位の数にする予定です。

まだ整理しきれてないので見栄えがイマイチ・・・

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左に靴や雑貨を入れて、右に傘や自転車用品、レジャー用品等を入れています。
左は両開きの折れ戸、右は片開きの折れ戸です。

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メリットとしてはまず、土間に置くタイプのシューズボックスや土間続きのシューズクロークと比較して、フローリングから靴を取り出せるので、靴を出し入れするときに玄関の土間に下りる必要がありません。

実家や前に住んでいた賃貸もそうでしたが、シューズボックスから出し入れする際に土間に降りるタイプの配置だと、土間に降りるのが面倒で使いづらい収納になってしまいがちです。

 

それと、シューズクロークのように狭い場所に入らなくていいので、圧迫感がありませんし、しゃがむのに周囲を気にしなくていいので低い位置も有効に使えます。

また、奥行が浅いので必然と物が取りやすく、手前に物があって奥のものが取れない・・・という事はありません。

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デメリットとしては、やはり大きなものが入らない事でしょうか。

奥行有効で350mm程度なので、ベビーカーやゴルフバックは厳しいですし、服も横にして入れることはできません。

私達は大型のものは物置かファミリークロークに入れる事にしたので、大きなものが入らない事は気になりませんでした。

汚れたものはそもそも玄関に持ち込まずに物置に置く事にしました。 

 

玄関の横にクローゼットの扉が何個も並ぶので若干違和感を感じる人もいるかもしれません。

私達はドアの扉はウォルナット風の色にしましたが、収納の扉は圧迫感を減らすために白い木目の色にしました。

 

普通のクローゼットで折れ戸の場合、扉の蝶番が来る場所の裏に取りづらい場所が出来てしまうという問題があります。

これはシューズボックスであれば無駄なスペースがないですし、通常開き戸なので取りやすさとデッドスペースの無さは上です。

折れ戸は折れ戸で一度に開く面積が大きいメリットもあります。

取りづらい場所には、あまり使わない靴を割り当てるなどとして運用でカバーします。

 

シューズボックス(靴箱、下駄箱)との比較

最後に、私達が作ったような普通のクローゼットを玄関に作るやり方と、シューズボックスの比較をしてみます。

 

まず、間取りによってキレイに納まるのがどちらなのかという問題があります

オープンなスペースに設置するのであればシューズボックスのほうがシンプルで納まりが良いですが、シューズボックスは基本的にサイズが決まっていますので、壁に埋め込むようにして作りつけるには詳細な打合せが必要になる場合がありますし、既製品ではサイズが合わない可能性もあります。 

 

価格的には使うモノによって異なるといった所でしょうか。

普通のクローゼットであれば、扉は他の場所でも使っている建材を増やすだけで済むので比較的安価に済みますが、中の可動棚は結構高くつきました。

私達は自分達で可動棚を付けましたが、1枚につきブラケットと棚板合わせて2000円ぐらいを現時点で20枚、将来的には40枚使う予定なので、それで8万円。

可動棚のサポート(取付ける柱)で1万円ぐらい。

あのサイズ(芯々W2730)の収納の棚を作ると材料費で合計10万円近くしましたが、これを建築業者に依頼すると、仕入れは安くなるかもしれませんが、労務費や利益分も合わせてもっとすると思われます。

後ろからブラケットで支持するタイプではなく、四隅で持たせるタイプの可動棚であればブラケットが必要ないのでもっと安くなります。

 

同じぐらいの寸法のシューズボックスをLIXILで調べてみると、W2400のトールキャビネット、ミラーなしで26-28万。ウッドワンだとW1600で30万。

これは定価なので値引き分を考慮すれば、費用的には同じぐらいになってくるのではないでしょうか。

 

姿見(鏡)は、シューズボックスの扉によくついていますが、クローゼットの扉にも付ける事はできますのでここは同じです。

 

シューズボックスの場合は、ちょうどいい高さに鍵やお花などの物を置けるスペースを設けられるのが便利です。

物置きスペースとしても使えますし、全面にあのスペースを設けると、視線が抜けるため玄関がぐっと広く見えるようになります。

収納するために使いやすい高さのスペースを取られるため、収納力は減りますが、見た目はとてもいいと思います。

また、収納の下や上にスペースを用意することでも、空間が広く見えます。

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引用元:https://www.hng.ne.jp/case_detail201-43.html

 

なぜクローゼット型の収納にしたのか

単純に大きなシューズボックスでも良かったのですが、設置したいスペースにシューズボックスがぴったりはまるかよくわからなかったこと、価格面で躊躇したこと、開き戸より折れ戸のほうが使い勝手がよさそうだと思ったことがあります。

価格面についてもう少し詳しく述べると、壁補強や収納の扉はプラン内で追加金額がかからなかったので、自分達で可動棚をつける金額だけですみましたが、大型のシューズボックスを設置する場合はオプション金額がいくら出るかわからないような状況だったのもあり、安いほうに流れました。

 

また、人が中に入れるタイプのシューズクロークにすることはないな、と早い段階で思っていたものの、シューズボックスにするかクローゼット型にするのかという点では、どちらでも劇的には変わらないと思っていました。

このため、他に考えなくてはならない課題に押されて真剣に検討することが後回しになり、気がついたら構造上必要な柱が収納の区切りの場所に設計されてしまったため、あとから計画変更することをやめたような気がします。

その点については少し記憶が曖昧ですが、このように後々計画変更できなくなってしまう場合もあるので注意です。

 

実際に使ってみて

今のところ中はまだ割とスカスカですし、棚も全部つけきれていませんが、仕上がりと使い勝手はおおむねイメージ通りでした。

折れ戸は結構使いやすいです。両側を開けば簡単に全部見えるような形になるので、「今日はどの靴履こうかな」と見て悩むこともできます。

(大体履く靴は決まっていますが…)

 

実家や以前住んでいた賃貸では、シューズボックスの物を置けるスペースのところに鍵を置いていましたが、新居では収納とは逆側にニッチ収納があるので、そこに鍵やハンコ等は置いています。

 

一番便利なのは、玄関ホールのフローリングから収納にアクセスできる点です。

いちいち玄関の土間に降りなくてもいいので、使いやすいです。

 

見た目は思ったよりスッキリしてるかなと思います。扉が天井まであるともっといいんでしょうが、そこは気にしない事にしました。

ただ、シューズボックスだと収納力を多少犠牲にはしますが視線の抜けれるポイントを作れるので、もしそちらにしていたら、もっと玄関は広く見えたかな~という思いもあります。

ですが、実用上は十分広い玄関ホールなので、そこは収納を優先したということで納得しています。

 

最後に

あくまで個人の感想ですが、マンションや物置が設置できないケース等では、シューズクロークは有効だと思いますが、物置が使いやすい位置に設置できるのであれば、シューズクロークより通常の収納を充実させたほうが良いのかな、と思いました。

また、難しいとは思いますが、シューズボックスはできるだけ玄関ホールのフローリングから出し入れできるようにしたほうが使いやすいと思います。

それと、「シューズクローク」という形にこだわるよりかは、自分達の持ち物や将来的に持ちそうなものを入れる場所はどこにしたらいいのか、という事を考えて収納場所を用意することが大切なのかなと思いました。

 

ここまでお読み頂きありがとうございました。

追記したら、このブログでもっとも長い記事になってしまいました。